頭頸部腫瘍
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喉頭摘出後の音声再建
ボイスプロステーシスを用いたTEシャント発声
緒方 憲久小山田 幸夫湯本 英二
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2002 年 28 巻 1 号 p. 35-40

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抄録

当教室では喉頭摘出後の代用音声として1999年4月よりボイスプロステーシスを用いた気管食道瘻発声 (以下TEシャント発声) を採用している。2001年4月まで, 喉頭癌患者の男性19例に一期的に装着を行った。会話能力の評価では良好群11例 (57.9%), 可能群4例 (21.0%), 不良群4例 (21.0%), 不能群0例であった。良好群では発声持続時間が10秒以上とその発声の質の高さも明らかになった。当科ではボイスプロステーシスとして当初はプロボックス2を使用していたが, 1年前からグロニンゲンーボイスボタンを使用している。これまでのところ, 両者間で会話能力上, 有意な差は認めなかった。合併症を検討してみると8例 (42.0%) に13件が認められたが, いずれも救済されている。

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© 日本頭頸部癌学会
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