2003 年 29 巻 1 号 p. 186-190
原発性副甲状腺機能亢進症における99mTc-MIBIシンチの局在診断の有用性について, 超音波検査, CTと比較検討した。対象はMIBIシンチを行い手術治療を施行した原発性副甲状腺機能亢進症14名で, 男性4名 (38-70歳, 平均47歳), 女性10名 (29-80歳, 平均57歳) であった。MIBIの検出率は12/14 (85.7%), 超音波11/14 (78.5%), CT7/14 (50%) で, MIBIと超音波を組み合わせることによって検出率は13/14 (92.8%) に上昇した。MIBIで検出可能な最小重量は300mgで, 異所性の副甲状腺腺腫はMIBIでのみ検出が可能であった。超音波は甲状腺周囲の局所診断に優れ, MIBIは異所性診断に優れていた。原発性副甲状腺機能亢進症の局在診断にはMIBIと超音波検査の組み合わせが相補的で検出率も高く, 効率的で経済的な方法と考えられる。