頭頸部腫瘍
Online ISSN : 1883-9878
Print ISSN : 0911-4335
ISSN-L : 0911-4335
口腔扁平上皮癌における p27KIP1, Skp2, Jab1 の発現とその意義
新谷 悟李 春男三原 真理子中城 公一浜川 裕之
著者情報
キーワード: 口腔癌
ジャーナル フリー

2003 年 29 巻 1 号 p. 210-216

詳細
抄録

細胞周期制御因子 p27KIP1 の発現低下が, 癌の発生や悪性度と関連することが報告されてきた。p27KIP1 の発現低下には, Skp2 とJab1 による蛋白分解が重要な役割を果たす。本研究では, Skp2, Jab1 と p27KIP1 の発現ならびに臨床病理学的因子との関連を検討した。
口腔癌75例を対象とし, p27KIP1, Skp2 および Jab1 の発現を検討した。Skp2 ならびに Jab1 の発現とp27KIP1 の発現は逆相関していた。臨床病理学的因子との関係では, p27KIP1 の発現低下例, Skp2 ならびに Jab1 の過剰発現例で, 頸部リンパ節転移が有意に多く認められ, 有意に予後不良であった。Skp2 ならびに Jab1 の発現は p27KIP1 の発現低下と関連し, これらの制御因子の異常が口腔癌の進展に関与していると考えられた。

著者関連情報
© 日本頭頸部癌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top