頭頸部腫瘍
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下咽頭癌における外側咽頭後 (ルビエール) リンパ節転移症例の検討
千々和 秀記富田 和英千々和 圭一梅野 博仁中島 格早渕 尚文鈴木 弦森 一功
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2004 年 30 巻 1 号 p. 47-52

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抄録

1989年から2002年までの14年間に久留米大学病院で入院加療を行った下咽頭癌患者214症例を対象とし, 外側咽頭後 (ルビエール) リンパ節転移について病期別の転移率, 組織学的転移陽性例 (pN+) の生存率や遠隔転移の有無, また再発症例 (rN+) については郭清と照射の有無等の検討を行った。
下咽頭扁平上皮癌214例中21例 (10%) に外側咽頭後リンパ節転移を認めた (stage I: 0%, II: 3%, III: 10%, IV: 12%)。外側咽頭後リンパ節がpN (-) の5年死因特異的生存率は69%, pN (+) では41%とN (+) のほうが有意に不良であった (p<5%)。咽頭後リンパ節郭清を行った76例中14例 (19%) がpN (+) であった。またpN (-) 62例中8例13%にのみ遠隔転移を認めたが, pN (+) 14例では6例43%に遠隔転移を認め, pN (-) に比べpN (+) のほうが有意に多く遠隔転移をきたしていた (p<1%)。郭清と照射を行った65例中11例はpN (+) であったが, 外側咽頭後リンパ節の再発を認めなかった。

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© 日本頭頸部癌学会
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