日本健康開発雑誌
Online ISSN : 2434-8481
Print ISSN : 2432-602X
ISSN-L : 2432-602X
助成研究
入浴による食欲、深部体温、食欲調整ホルモンへの影響(A Pilot Study)
中村 毅岩倉 浩
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 38 巻 p. 51-59

詳細
抄録

【背景と目的】

超高齢社会を迎えフレイル、サルコペニアが問題となり運動、栄養の重要性が指摘されている。食欲低下が要介護者、認知症患者において問題となる一方、肥満の原因となる過食対策も重要である。上記病態の予防観点から食事摂取のコントロールは重要である。日本では湯船につかる入浴習慣があり入浴による食欲の変化が指摘されている。その機序については消化管血流変化、消化管運動との関連で論じられる場合が多いが詳細については不明な点が多い。今回、入浴による食欲変化と食欲調整ホルモンの関連を検討した。

【方法】

健常男子2名(18.5<BMI<25)を被験者とした。評価項目は血中acylated ghrelin、insulin、遊離脂肪酸、乳酸、血糖、GLP-1、コアテンプCM-210による深部体温測定、VASによる食欲評価とした。入浴負荷方法:検査前安静後、①入浴不可なし②33℃15分間③42℃15分間④40℃15分間入浴負荷を行った。負荷前を0分とし、0、15、30、60分の血中acylated ghrelin、insulin、遊離脂肪酸、乳酸、血糖、GLP-1の測定、深部体温測定、VASによる空腹感の評価を行った。血中acylated ghrelinの測定は血漿分離後、凍結保存しEIA法で測定した。

【成績】

40℃15分入浴で血中acylated ghrelin濃度の低下、42℃15分入浴で増加傾向が示唆された。GLP-1は42℃15分入浴で増加傾向、33℃15分入浴で低下傾向が示唆された。

【考察】

少数の被験者での検討であったが入浴による食欲変化の機序として血中の食欲調整ホルモンであるacylated ghrelinやGLP-1の変化が関与する可能性が示唆されたが被験者数を増やしての検討を要す。

著者関連情報
© 2017 日本健康開発財団
前の記事 次の記事
feedback
Top