日本健康開発雑誌
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報告
岩手県久慈市、三重県明和町におけるヘルスツーリズムの取り組み-3か月間のウォーキングプログラムの試行と介入調査 -
佐羽根 博一後藤 澄子早坂 信哉高橋 伸佳後藤 康彰
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2019 年 40 巻 p. 40-46

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抄録

ヘルスツーリズムは、「健康面での何らかの価値提供を含んだ観光の形態の1つ」とされている。旅の喜びとともに、多くの人々に対して健康への気づきをもたらすヘルスケアサービスとして、「ヘルスツーリズムプログラム」が位置づけられている。一方でこうしたプログラムは、地域住民にとっても楽しみながら行動変容を促すツールとして有用であることも期待される。

世界的なヘルスツーリズムの潮流は加速度的に進展しているが、「プログラム」の開発・提供の枠組みは確立されておらず、消費者にとって安心して購入・利用する選択基準も未整備な状況が続いてきた。こうした課題の解決を目指して、「品質評価」の枠組みをつくる取り組みとして、2018年度に始まったのが、「ヘルスツーリズムプログラム認証制度」である。認証基準の評価ポイントは、「安心・安全への配慮」、 「楽しみ・喜びといった情緒的価値の提供」、 「健康への気づきの促進」の3つで、2019年4月現在、35のプログラムが認証されている。

岩手県久慈市、三重県明和町では、地域資源を活用した地域ヘルスケアビジネス創出と地域住民の健康増進を目指し、相互に連携してヘルスツーリズム推進に取り組んでいる。地域の特性を活かして健康づくりに寄与することを想定した「食」、 「運動」プログラムの開発や、サービスを提供する人材育成、提供体制の構築、モニターツアーの開催等を行ってきた。久慈市、明和町それぞれにおいて、「ヘルスツーリズムプログラム認証」申請を視野に、地域住民を対象とした3か月のウォーキングプログラムの試行ならびに効果検証を試みたので、報告する。

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