日本健康開発雑誌
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助成研究
標準地域における「『新・湯治』効果測定調査プロジェクト」のパイロットスタディ
森 康則西 智広吉村 英基
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キーワード: 新・湯治, 温泉地, 健康状態
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2019 年 40 巻 p. 95-104

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抄録

背景・目的 環境省は、温泉地の健康増進効果の測定と把握を目的として、2018年3月に、全国一律の調査フォーマットである「全国『新・湯治』効果測定調査プロジェクト」を公表した。本研究では、三重県内の温泉地を対象に、同調査プロジェクトのパイロットスタディを実施し、同プロジェクトの効果検証ならびに課題抽出を試みた。加えて、得られたデータをもとに、温泉利用施設の利用前後における主観的な健康状態の変化に着目して、解析を行った。

方法 三重県内で研究協力が得られた14の温泉利用施設において、2018年7月から12月にかけて、施設の温泉を浴用利用した成人を対象に調査を実施した。有効回答数は537であった。本研究では同調査プロジェクトに定められた調査フォーマットを用いた。統計解析は、施設利用前後の健康状態の変化に係る11の調査項目について、各施設から得られたデータ(各「調査群」)と、そのデータを除いた全体データ(対照群)を、カイ二乗検定により比較した。

結果 施設毎の統計解析の結果、榊原温泉に位置する公営の公衆浴場で得られた調査データで、施設利用前後の健康状態の変化に係る11の調査項目のうち、9の項目(「より健康になった」「ストレスが少なくなった」等)で、改善したとする回答数が対照群に比べて有意に高かった。

考察 本研究によって有意差が得られた調査項目については、泉質や施設状況等、様々な複合的要因が関連しているものと考えられる。同調査プロジェクトによる調査結果は、温泉利用施設の利用に伴う有用な効果に関する研究シーズの探索に貢献できる可能性があることが示された。

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© 2019 日本健康開発財団
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