日本健康開発雑誌
Online ISSN : 2434-8481
Print ISSN : 2432-602X
ISSN-L : 2432-602X
原著論文
全身入浴またはシャワー浴の入浴習慣がその後のHSP入浴法に及ぼす影響
伊藤 要子石澤 太市多田井 幸揮綱川 光男
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 42 巻 p. 21-30

詳細
抄録

背景・目的 我々は、より健康的な入浴法を目指し、Heat shock protein 70 (HSP70)を日常の入浴で高めるHSP入浴法を確立してきた。しかし、生活意識の変化から入浴をシャワーで済ませる機会が増えている。本研究では、日常の入浴として全身入浴またはシャワー浴を行っている人に入浴による温熱刺激を与え、HSP70、体力指数および気分プロフィール検査などの主観評価への影響について比較し、HSP入浴法を検討した。

方法 健常男性11名を日常の入浴法として40℃10分の全身入浴群とシャワー浴群に分け、5日間の日常入浴後に試験入浴として40℃15分の全身入浴と保温を実施し、体温(舌下温度)を測定した。また、試験入浴前、1日後、2日後にHSP70発現量、体力指数および気分プロフィール検査、気分・感覚状態のアンケートを実施した。

結果 全身入浴群において、試験入浴中の体温はシャワー浴群に比し有意に上昇し、HSP70は試験入浴前に比し有意に上昇した。また、疲労感や筋肉痛はシャワー浴群に比し有意に軽減し、気分プロフィール検査POMSの混乱は日常入浴前に比し有意に低下した。

考察 全身入浴を継続することで、温熱刺激に対する感受性が高まり、HSP70の有意な上昇、疲労感の軽減、気分状態を良好にし、心身の健康に良い影響を及ぼすことが示唆された。また、日常の全身入浴の継続後の試験入浴40℃15分入浴は、従来のHSP入浴法である40℃20分の入浴時間を5分短縮する、新しいHSP入浴法となり得るものと思われた。

著者関連情報
© 2021 日本健康開発財団
前の記事 次の記事
feedback
Top