2025 年 46 巻 p. 73-77
背景・目的 近年スマートフォン(スマホ)の長時間使用により、若年者における眼の調節(調節)機能が低下するスマホ老眼が増加している。本研究では、副反応がないスマホ老眼の症状緩和方法として、交感神経を優位にする足湯に浸かったときの調節反応を経時的に評価した。
方法 対象は屈折異常以外に眼科的疾患のない若年健常者15名(22.6±1.0歳)とした。各被験者は、30分間のスマートフォンゲームを視覚負荷として課し、視覚負荷後に水道水、炭酸水素塩泉、アルカリ性単純泉がランダムで入った足湯に浸かった。足湯に浸かっているとき、遠見完全屈折矯正下で2.5diopter (D) から4.0Dまで、6秒で1往復する定速度屈折刺激の視標を2往復(12秒間)注視し、そのときの経時的な眼球屈折度変化をオートレフラクトメータで記録した。水道水、炭酸水素塩泉、アルカリ性単純泉の各条件における調節反応量を計算した。
結果 調節反応量は、炭酸水素塩泉(1.01 ± 0.36 D)とアルカリ性単純泉(1.02 ± 0.38)の源泉に浸かったときのほうが水道水(0.65 ± 0.28 D)に浸かったときよりも有意に調節反応量が大きかった(P = 0.009)。
考察 本研究において、炭酸水素塩泉とアルカリ性単純泉の足湯では、スマホ使用により低下した調節機能を改善できる可能性が示唆された。