魚類学雑誌
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ナマズのsmall pit organのreceptor cellsの微細構造(予報)
佐藤 光雄片桐 展子
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1969 年 16 巻 3 号 p. 115-119

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抄録
small pit organは壕形側線系に属する器官で, 通常形側線系の側線管器とは機能を異にしており, 従ってその微細構造においても, これら両者はかなり相違することが予測される。今回の観察結果から, これら両器官の受容細胞の微細構造上の主な相違点をあげると, 次のようになる.1.側線管器の受容細胞遊離面には不動毛と運動毛の2種の感覚毛がみられるのに, small pit organのそれには微細絨毛(不動毛)のみ認められ, この絨毛直下にクチクラ部も識別しがたい.2.管器受容細胞に分布する神経の終末には, non-granulated typeとgranu1ated typeの2っを区別できるが, small pit organの受容細胞においては, すべての神経終末はnon-granulatedtypeである.
なお, small pit organの受容細胞は, 神経終末の型およびシナプス部における膨出構造において, Lorenzini壜の受容細胞と類似しているといいうる.
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© 日本魚類学会
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