1970 年 17 巻 3 号 p. 105-109
1966年及び1969年の冬に北海道西岸沖合の利尻島本泊, 及び増毛付近で捕獲された2標本を検査した結果本種と査定し得た.しかし, Abe (1961-62) が指摘しているように, 本種がサガミマンイウオ (Taractes platycephalus Matsubara) の成魚である可能性が強く, また大西洋産のTaractes asper Loweと同種であるかも知れない.さらに, これまで目本近海から報告されたTaractes属 (T.raschi, T.platycephalus及びT.steindachneri) はすべて同一種であろうと考えられるが, ここでは阿部博士の解釈に従って一応独立種として扱った.