魚類学雑誌
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金魚に於ける再生鱗の形態の変遷
鈴木 亮
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1952 年 2 巻 4-5 号 p. 192-195

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抄録

(1) 本研究は金魚の鱗を剥離及び半截して、殆んど正常鱗と区別できなくなるまでの経過を追求したものである。
(2) 初期の再生鱗は 溝條が多く、隆起線が少いが、正常鱗に近ずくに從つてこの關係は逆になる。
(3) 再生の速度は、季節によつて異り、夏期は早く、冬期はおそい。
(4) この研究の結果から魚類の再生鱗は全て再生された初期は、正常鱗と著しく形態を異にするが、発育が進むに從つて正常鱗の形態に次第に近づき、終には全くこれと区別できなくなるものだと推測せられる。
終りに臨み、この研究につい、ては愛知學藝大學助教授小林久雄先生の御指導並に御校閲を賜つたことを銘記して、厚く感謝の意を表する次第である。

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