魚類学雑誌
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ニジマス幽門垂上皮のpear-shaped cellと“小胞細胞”の微細構造
木村 紀彦
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1973 年 20 巻 2 号 p. 94-106

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抄録

ニジマス幽門垂上皮のpear-shaped cellと“小胞細胞”を主として電顕的に検索した.pear-shaped cellは少数の微絨毛で幽門垂腔に接し, 上皮細胞とはjunctional complexにょって結合されている.最も顕著な特徴は形質膜下に微細な線維性物質に富む厚さ約700~850mμの細胞質被膜があること, 細胞内に棒状体があることおよびほとんどすべての糸粒体が細胞先端部に集中することなどである.核下部の細胞下端では被膜の一部が不明瞭またはほとんど存在しない部域がある.そこには有芯小胞, 無芯小胞, 粗面小胞体およびグリコーゲン顆粒が存在する.pear-shaped cellはその形態学的特徴から考えると, 寄生体でも, 杯細胞でも, 顆粒性白血球でもない. ニジマス幽門垂上皮に, これまでに報告のなかった特徴のある細胞, “小胞細胞” が観察された.

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