オステオグロッスム目は地史的に現生の真骨魚類中最古の記録をもつ一群で, 主として熱帯地方の淡水に分布しているが, 最近その系統・類縁関係が少しずっ明らかにされてきた.併し染色体に関する詳しい資料はほとんどない.この度オステオグロッスム目の5科8属8種の染色体を調査したのでここに報告する.ノトプテルス科のXenomystus nigriとNotopterus chitalaは2n=42で染色体は全て端部着糸型であるが, Papyrocranus aferは34で4個の中部または次中部着糸型を含む.モルミルス科のGnathonemus petersiiとMarcusenius brachistiusは48である.その外の種の染色体数はHiodon alosoidesが50, Osteoglossum bicirrhosumが56, Pantodon bucholziが48であった.これらの魚類の核型と分布, 古生物学的資料などに関して若干の考察を行なった.