魚類学雑誌
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伊勢湾へ降海するアマゴ (Oncorhynchus rhodums) の生態について
加藤 文男
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1973 年 20 巻 4 号 p. 225-234

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抄録

1.降海型アマゴの変態は, 河川で生活1年目の秋頃から起こり, 雌に多く現われる.
2.満1年に達したスモルト (体長11~19cm) は, 冬季伊勢湾に降海し, 湾内の水温が低い期間 (冬~春) に, 主として魚類を食して生活し, 急速に成長する.
3.生活2年目 (1+) の5月頃, 体長27cm (モード) に達して河川を湖上し, 上流で9~10月頃産卵する.
4.降海型アマゴの鱗相は, 冬帯の形成を10月下旬にすでに終了している.降海後は鱗の周縁に特に幅広い隆起線を多数形成する.
5.伊勢湾へ降海するマス (降海型) は, 上流域に生息するアマゴ (河川型) と同一の個体群に属すると考えられる.

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