魚類学雑誌
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台湾の南方海域から採集されたウナギの葉形幼生
多部田 修高井 徹
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1975 年 22 巻 2 号 p. 100-103

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抄録

1973年3月7目に台湾南方海域から, 東大海洋研究所の白鳳丸によって, 1個体の変態期の葉形幼生が採集された.この幼生は全長52.0mmで, 筋節の総数は114, 肛門一背鰭起部間数は5であった.腸管には特殊な構造はなく, 主要垂直血管は3本, 胸鰭は発達し, 17条をそなえ, 眼以外に色素胞はなかった.以上の特徴からこの幼生をAnguilla japonicaと同定した.この幼生はこれまで知られた変態期幼生では最も小さい.採集場所の表層水温はこれまで幼生が得られた場所と同じく25℃ 以上を示した.

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