魚類学雑誌
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ナガサキスズメダイの形態と色彩
Jack T.Moyer井田 斉
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1975 年 22 巻 2 号 p. 104-108

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抄録

ナガサキスズメダイ、Pomacentrus nagasakiensisの模式標本の再記載を行ない, 新たに得られた標本を調査した。ナガサキスズメダイは同属の他種と同様に眼下骨および前鰓蓋骨の鋸歯縁は良く発達し, 周眼部は無鱗で多くの側線分枝の開孔があり眼上部の開孔は特に大きい。成魚の他種との区別点は背臀鰭軟条部と尾鰭の淡色の波状ないし網状の模様がある事である。若令魚の体色は暗青色で後部の背鰭軟条に濃色の眼状斑がある。成長に伴ない体色は次第に暗色となり胸鰭基底に黒色斑が, その内側に榿色斑が出現し体長が約70mm前後で背鰭の眼状斑は消失する。
本種は沖縄, 九州, 伊豆, 小笠原の本邦南岸域に限って分布すると判断される。

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