アユモドキはドジョウ類の中ではもっとも原始的な1種と考えられているが, その染色体については知られていない.
今回, 本種の染色体の観察を行った結果, 2n=50で, 核型は4対の中部着糸染色体, 5対の次中部着糸染色体, 16対の次端部および端部着糸染色体によって構成されていることが判明した.したがって本種のtwo-arm chromosomeの数は, 2n=50をもっドジョウ類の中ではもっとも多く, その核型はアジメドジョウのそれと類似している.しかし両者の類似性は比較形態学上の明瞭な相違を考えると, 近縁性を示唆するものではないらしく, また, アユモドキに近縁なB.amacmcanthaでは2n=98であり, 両種の染色体上の関係は不明である.