魚類学雑誌
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日本から初記録のPseudocheilinus evanidusヒメニセモチノウオ(新称)
John W.Shepard岡本 一志
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1977 年 23 巻 4 号 p. 233-236

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抄録

1976年6月に入重山諸島黒島から2個体, 同年7月に伊豆諸島三宅島から1個体, 本邦から初記録のPesudocheilinus evanidusが得られた.その和名としてヒメニセモチノウオを提唱する.本種は体長50-60mmほどの小型種で, 水深約10-40mまでの岩礎地に生息する.1976年7月28日に三宅島において得られた個体 (S.L.58.8mm, male) の生時の色彩は全体が橙赤色で, 頭部後方より体側後半にかけて縦走する22本の黄色線, および口角から前鯉蓋骨の隅角部まで縦走する白色帯などの斑紋が特徴的である.また, 色彩の雌雄差はほとんど認められない.
標本検定の結果, 本種はFowler and Bean (1928) の述べるところのP.hexataeniaのcolor variantではなく, 別種であることが明らかになった.

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