魚類学雑誌
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日本初記録のソトオリイワシ科魚類クロゴイワシ (新称) について
上野 輝弥岸田 周三
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1977 年 23 巻 4 号 p. 239-241

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抄録

水産庁調査船開洋丸が1975年2.月13日九州西方海域にて採集した深海性魚類の中に日本ならびに北太平洋西部から未記録のハダカイワシ目ソトオリイワシ料Necoscopelidaeのクロゴイワシ (新称) Scopelengys tristis Alcock, 1890が1尾含まれていた.標本の標準体長は178mmで雌である.クロゴイワシはソトオリイワシ科のSolivomerに近縁で, 発光器がなく体色は黒い (新和名は黒衣に由来する).口は大きく眼は小さい.脂鰭は臀鰭の後端上方に位置する.歯は絨毛状で鋤骨歯群は左右に分離している.鰓条骨数は8本である.クロゴイワシはインド洋, 太平洋ならびに大西洋から報告されており, 世界の暖-熱帯の深海に棲息することが知られている.本種を加えると日本産ソトオリイワシ科魚類はソトオリイワシ, サンゴイワシ, シチゴイワシ, クロゴイワシの4種となる.

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