1978 年 24 巻 4 号 p. 285-289
ホシザメMustelus manazoおよびシロザメM.griseus雄の生殖腺指数と組織学的方法による精巣中の各精細胞の出現率の月別変化を調査した。両種とも生殖腺指数は6刀より7刀にかけて最小になり, 11月から12, 月にかけて最大になる.精子は両種とも生殖腺指数の値が最小になる時放出される.すなわち, 6月より8月の間が両種の交尾時期であると考えられる.両種ともに, 精子形成は周年休むことなく行なわれる.このため, 採集したすべての標本の精巣中に精原細胞, 精母細胞, 精子細胞および精子の各精細胞が観察される.しかしながら, 各精細胞の出現率は月によって異なっている.精母細胞が多く出現する時は精子は少なく, 反対に, 精母細胞の出現が少い時は精子は多数存在する.