昭和52年度岩手県深海漁場開発調査期間中の1977年7月21目, 岩手県大槌沖 (39°16'N, 142°19'E) の水深1260~1275mからトロール網により, チゴダラ科のカラスダラ, Halargyreus johnsoniiが2個体採集された (体長421mm, 414mm).
本種は下顎にひげを欠くこと, 鋤骨と口蓋骨に歯がないこと, 臀鰭が深く欠刻することおよび腹鰭が6軟条であることにより, 他のチゴダラ科魚類から容易に区別される.
本種の北太平洋海域における唯一の記録は和歌山県太地沖で捕獲されたコマツコウの胃内容物から得られた耳石によってなされ, この海域での本種の分布が疑問視されていた.今回, 目本から初めて完全な個体が得られ, 本種の分布が確証された.