1978 年 25 巻 3 号 p. 216-218
最近八丈島近海の深さ約25m付近から漁獲された6尾の小形六ナダイが浅井ミノル氏から, また伊豆近海で採集された1尾が益田一氏から送付された。これらの標本は, 1918年田中茂穂博士が高知県柏島から記載した新属新種Leptanthias kashiwaeカシワハナダイに相当するものである。本種の形態的特徴を調べた結果, 紅海産のPseudanthias taeniatus (Klunzinger) と極めてよく似ており, 後者のシノニムと考えられる.本種は雌雄差が顕著で, サクラダイのように雌性先熟型の性転換を行う魚であるようである.