魚類学雑誌
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北西太平洋産ソコクロダラ属Lepidionの分類学的再検討
仲谷 一宏尼岡 邦夫阿部 晃治
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1980 年 27 巻 1 号 p. 41-47

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抄録

本属は第一背鰭や腹鰭の前方軟条が糸状に伸長すること, 腹鰭が7~8軟条よりなること, 臀鰭の外縁が彎入することなどで特徴づけられる.本属魚類は北西太平洋からは, ソコクロダラL.inosimae, クロダラL.modestus, カッタイダラL.oidema, およびL.schmidtiの4種が知られている.著者らは北西太平洋から本属の魚類を数多く採集し, 分類学的再検討を試みた.その結果, 本属にはソコクロダラとキタノクロダラ (L.schmidtiに対する新和名) の2種を認めることができ, カッタイダラはソコクロダラのシノニムであることが判明した.また, クロダラは腹鰭が2叉した1軟条よりなり本属から除外されるべきであるとの結論を得た.
ソコクロダラとキタノクロダラは鰭条数や鋤骨歯の形態により簡単に識別できる.

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