ナマズSilurus asotusの夜間活動について, 特に光の昼夜変化との対応に関連して室内実験を行ったね, ナマズは日没直後に活動を開始し, その時の環境照度は水温10~25℃の範囲内でほぼ0.001ルックスのレベルに保持され, 環境照度との強い相関関係が認められた.一方, 夜間活動の終了は夜半から目の出前にかけて観察され, またそれは低温環境におけるほどより早い時刻に移行する傾向が認められたので, 環境照度への直接的依存性は少ないものと考えられる.ナマズは人工的な短い明暗周期下および恒暗条件下で, その活動に概日的自由継続リズムを示した, 従って, 自然条件下における本種の日周活動は, 自然の昼夜変化と自己の活動リズムの両方の働きで制御されているものと考えられる.これらの結果について, すでに著者により報告されたギバチの夜間活動との比較検討を行つた.