1979年9月に東部インド洋で採集されたニタリAlopias pelagicusの妊娠個体2尾について多その胎児, 子宮, 卵巣を観察した.胎児はいずれも発生中期のもので, 各個体に2尾ずつ計4尾採集された.このうち1尾の胎児の胃から多中に卵の詰まった卵殻が1個発見された, また他の胎児の胃は卵殻の破片の混在した卵黄物質で充満していた.母体の卵巣はいずれも卵形成を活発に行っており, 母体子宮内からも卵殻は発見された.これらのことは本種の胎児の栄養摂取様式が母体から排卵された卵を食べて栄養とする, いわゆる食卵型であることを示すものである, なお胎児と母体子宮内壁には胎盤様構造は全く認められなかった.