魚類学雑誌
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Grammatonotus属 (ハタ科) の分類学的検討と新種オオメハナダイの記載
片山 正夫山本 栄一山川 武
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1982 年 28 巻 4 号 p. 368-374

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抄録

Gralnlnatonotus (テンジクノ・ナダイ属, 新称) はCallanthias (シキシマノ・ナダイ属) と近縁で, ハタ科, シキシマハナダイ亜科に属するが, 鰐蓋前骨に1棘があること, 前鼻孔が短い管状であること, 尾鰭分岐軟条が13本であること, 縦列鱗数が少ないことなどでシキシマハナダイ属と異なる.本属は, ハワイ近海産の尾鰭などが破損したG.laysanus Gilbertの模式標本 (幼魚) が知られているのみであったが, Katayama et al. (1980) は駿河湾, 大隅海峡からG.surugaensis (テンジクハナダイ) を報告した.更に著者らは天皇海山からG.laysanusの状態の良い成魚標本を得, また九州パラオ海嶺から新種G.macrophthalmusオオメハナダイを採集した.これら3種について比較検討を試みた結果, オオメハナダイは眼が大きく, 眼径は頭部眼後部より長いことで, 同属の他種と区別できる.

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