魚類学雑誌
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フィリピン産アマダイ類について
James K. DooleyNorbert Rau
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1982 年 28 巻 4 号 p. 450-452

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抄録

フィリピン産アマダイ類を調査したところ, 紅海から記載されたBranchiostegus sawakinensis Amirthalingam, 1969の存在が確認され, 紅海から9600km以上離れた海域での分布が判明した.本種はフィリピンにおいて深さ100~200mの砂底上で採集される.紅海産の標本の記載にない, 尾鰭の10~15箇の明黄色斑がある.紅海産, アフリカ東岸, フィリピン産の比較をTable1に示した.フィリピン産のアマダイ類をリストすると次のようになる.1.Branchiostegusjaponicus;2.B.sawakinensis;3.B.vittatus;4.B.ilocanus;5.Malacanthus latovittatus;6.M.brevirostris (=hoedtii);7.Hoplolatilus purpureus;8.H.marcosi;9.H.chlupatyi;10.H.starcki.
以上のうち3と4は原記載 (Herre, 1926, 1928) 以来存在が確認されておらず, タイプ標本は戦時中失なわれた.以上のほかH.fronticinctusがルソンで採集されており, またB.argentatus, B.albus, H, cuniculus, H.fourmanoiriがフィリピン海域に分布する可能性がある.

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