メダカ鱗上の黒色素胞はその周囲をコラーゲンや上皮組織 (以下, 両者をOLと略す) によっておおわれている.OLと黒色素胞の形態・顆粒の分布との関係をサイトカラシンB (CB) 及び低張溶液 (HS) を用いて調べた.OLの存在する黒色素胞はCB及びHSの作用により著しい顆粒拡散を示し, 細胞の中心部は扁平となった.一方, OLを除去した黒色素胞は逆にそれらの作用により顆粒の凝集を示し, 細胞の中心部の盛り上がりがみられた.これらの結果は黒色素胞凝集神経の存否と無関係であった.以上のことからOLは黒色素胞の形態や顆粒の分布に影響を及ぼしているものと思われる.