魚類学雑誌
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インド・太平洋産のThrissina属2種
Gareth Nelson
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1982 年 29 巻 1 号 p. 99-101

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抄録

カタクチイワシ科のThrissina属は, これまでT.baelama (Forsskål, 1775) 1種のみを含むものと考えられていた.しかし, Whitehead et al. (1966) が示唆したように, T.baelamaとされている標本の中には, pre-pectoral scuteを欠く分布の広い1種 (T.baelama) と, 1~2個のscuteをもつ, セイロン, インド, インドネシア, クィーンズランド, セレベス, フィリピンから報告されている1種 (T.encrasicholoides (Bleeker, 1852)) の2種が含まれていることが判明した.両種はこの形質のほかに, 顎骨の形態, 臀鰭分校軟条数, 脊椎骨類, 鯉耙数 (下枝) でも区別が可能であるが, これらの形質には種内変異あるいは種間の重複がある.

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