1981年8月3~4日にかけて, 知床半島先端にある小河川, オケツチウシ川でオショロコマを集中的に採集した結果, 銀白色個体3尾を捕獲した.この標本と同河川で採集した河川残留型オショロコマの諸形質を比較した.銀白色個体の鱗には海洋生活帯が認められた.相対生長比 (特に尾叉長―胸鰭長) は銀白色個体が河川残留型よりも明らかに低かった.しかし, 数的形質には両者間で明らかな差はなかった.これらの結果から, 銀白色個体がオケツチウシ川産の降海型湖上個体であること, 知床地方において, 従来考えられていたよりも, 降海型は多く出現している可能性があることなどを論議した.