魚類学雑誌
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中部北太平洋天皇海山群から得られたネズッポ科ベニテグリ属魚類の2新種
中坊 徹次山本 栄一陳 春暉
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1983 年 29 巻 4 号 p. 349-354

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抄録

中部北太平洋天皇海山群のキンメイ・カンム両海山からネズッポ科ベニテグリ属魚類の2新種.Foeto-repus kinmeiensis (新称: キンメイベニテグリ).Fbeto-repus kanmuensis (新称: カンムベニテグリ) を記載した.
これらの2種は生鮮時には赤い体色を持ち.背鰭第1棘も糸状に伸びていず.また尾鰭下半分に位置する軟条が糸状に伸びているなどで.一見したところ非常によく似ているが.いくつかの形態的特徴で区別しうる.
F.kinmeiensisは, 1) 体色は白色 (液浸標本) で背側に大理石様の褐色斑がある, 2) 背鰭第3棘と第4棘の間に一褐色斑がある, 3) 前鰓蓋骨棘の後端はまっすぐである.などの特徴がある.
F.kanmuensisは, 1) 体色は白色 (液浸標本) で背側の大理石様の褐色斑は少なく, うすい, 2) 第1背鰭には.はっきりした褐色斑がない, 3) 眼が非常に大きい, 4) 前鰓蓋骨棘の後端は上方に強くまがる, 5) 腹鰭軟条の先端はやや肥厚する.などの特徴がある.

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