1986 年 33 巻 3 号 p. 280-285
淡水性空気呼吸魚Notopterus chitala の2方式酸素摂取量を29±1℃ で測定した.連続流水中で空気呼吸させない時の水相酸素摂取量は体重66.92±11・27g (SE) の個体で3.58±0.37mlO2/h, 即ち56.84±4.29mlO2/kg/hであった.静水中で空気呼吸も行なわせるようにすると, 鯉による水相酸素摂取量は, 同じ体重で, 2.49±0.3lmlO2/h, 即ち38.78±1.92mlO2/kg/hであり, 副呼吸器官 (鰾) を介しての気相酸素摂取量は, 同じ体重で, 6.04±0.87mlO2/h, 即ち92.32±2.91mlO2/kg/hであった.全酸素消費量 (131.09mlO2/kg/h) の約70%が気相呼吸, 残りの30%が鯉による水相呼吸であった.