魚類学雑誌
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南日本沿岸から採集されたネズッポ科の新種ルソンベニテグリと日本産ベニテグリ属の種の検索の改訂
中坊 徹次
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1987 年 33 巻 4 号 p. 335-341

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抄録

本種は, Nakabo (1983) がフィリピン諸島とボルネオ北部沿岸原産のFoetorepus delandi (Fowler) と同定し, ルソンベニテグリという和名を与え, 目本初記録種として報告したものと同一である.Nakabo (1983) の誤同定を改め, 新種Foetorepus masudaiとしてここに記載した.本種の標本は, 南日本沿岸 (高知県御畳瀬, 愛知県三谷) から得られたものである.御畳瀬では沖合底びき網で採集されているので, 生息場所は大陸棚縁辺域である.
本種の形態的特徴は, 1) 眼が大きい;2) 雄の背鰭第1棘は長く糸状に伸びる;3) 第1背鰭には, はっきりした褐色斑がない;4) 胸鰭起部上部には1褐色斑点がある;5) 腹鰭後半部には1大褐色斑紋がある, 等である.
Nakabo (1983) の与えた日本産ベニテグリ属の種の検索は不十分となったので, 改訂したものを提示した.

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