1987 年 34 巻 1 号 p. 71-75
タンガニイカ湖西部湖岸域に生息し, 両親が子供の保護をするLamprologus toaeにおいて, 保育中の子供の数の変動をスキューバ潜水により追跡した.卵から仔魚の発育初期の死亡率は高く, 体長0.8-1.8cmの稚魚期には死亡率が低いが, その後1.8cm以上になると再び死亡率が高くなった.子供の異なる発育段階で雄親を除去すると, 卵から仔魚期では雌親だけでは保護できない.その後の発育段階でも雄親の除去は子供の死亡率を増大させた.これらの死亡率は他種魚類による捕食圧であり, 子供を保護するためには両親の存在が不可欠であると考えられた.