魚類学雑誌
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北海道厚岸沖より得られたタウエガジ科の1新属新種モンツキガジ
三木 徹金丸 信一尼岡 邦夫
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1987 年 34 巻 2 号 p. 128-134

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抄録

北海道厚岸沖より得られたマダラの胃内容物を調査中に1個体のタウエガジ科魚類を発見し, 新属新種Neolumpenus unocellatusモンツキガジとして記載した.本種は比較的大きな胸鰭と1棘3軟条の腹鰭を持つこと, 体側に骨質状の側線管を持たないこと, 眼下感覚管孔が無いこと, 左右の鯉膜が峡部から幅広く離れる一皮摺を形成しないことなどによりウナギガジ亜科に含められる.さらに, 深く分枝した腹鰭軟状を持つこと, 腹鰭および臀鰭の棘が堅固であること, 胸鰭下部軟条が後方に伸長しないこと, 鋤骨および口蓋骨に歯が存在すること, 鰓孔の前端が眼の後縁下に達しないこと, 瞳孔の約1/2程度の非常に大きな頭部感覚管孔を持つこと, 吻が鈍く, その外郭は険しいこと, 尾鰭基底部の背方に1個の眼状斑を有することなどにより, 本種は同亜科内の既存の属および種と明瞭に識別される.

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