魚類学雑誌
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アサヒアナハゼの卵および仔稚魚
木村 清志津本 欣吾森 浩一郎
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1987 年 34 巻 3 号 p. 346-350

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抄録

水槽内で自然産卵させたアサヒアナハゼ卵を飼育し, 卵内発生および孵化仔魚から若魚までの外部形態の形成過程を観察した.本種は体内受精を行い, 卵は産出直前に受精する.卵は球形の沈性凝集卵で, 卵径1.60-1.98mm, 卵黄は淡黄色から淡緑黄色を呈し, 多数の油球が存在する.水温約16℃で受精13-15日後に孵化する.孵化仔魚は全長6.3-7.1mm, 黄色素胞はない.全長約7.5mmで卵黄が完全に吸収される.脊索末端の屈曲は全長約10mmで開始し, 約14mmで終了する.全長16mm以上になると, 各鰭条数が定数に達し, 稚魚になる.側線は全長37mm以上で完成する.

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