魚類学雑誌
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藻類食性コイ目の1種Gyrinocheilus aymonieriの核型とDNA量
新井 良一鈴木 淳志赤井 裕
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1988 年 34 巻 4 号 p. 515-517

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抄録

東南アジア原産のコイ目Gyrinocheilidae科に属するGyrinocheilus aymonieriの核型とDNA量を研究した.本種の核型は2n=48で, 中部着糸染色体 (M) =4, 次中部着糸染色体 (SM) =4, 次端部着糸染色体 (ST) =4, 端部着糸染色体 (A) =36からなる.4本のMのうち, 2本は動原体融合によると考えられる大きな染色体であった.また, 36本のAのうち2本の染色体が付随体をもっていた.
DNA量は0.49ないし0.53ピコグラムでコイ科のDNA量に比べると, 少量であった.核型およびDNA量にみられる本種の特徴はコイ科魚類にほとんど見出されず, むしろタニノボリ科やドジョウ科に見出される特徴である.これらのことから, 本種はコイ科よりもタニノボリ科やドジョウ科に近縁であることが示唆された.

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