魚類学雑誌
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タンガニイカ湖産力ワスズメ科魚類Lamprologus attenuatusの親の保護下における稚魚の成長
名越 誠Masta Mukwaya Gashagaza
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1988 年 35 巻 3 号 p. 392-395

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抄録

Lamprologus attenuatusはタンガニイカ湖の沿岸域の砂場の石または岩に産卵し, 両親が稚魚の保護を行った.親の保護下の稚魚は成長に伴って湖底より水面に向って分布を拡げた.それらの稚魚の成長を調べるためスキューバ潜水により定期的に一部の稚魚を採集した.ふ化後30日間の平均成長率は0.44mm/dayであり, 全保護期間中の平均成長率は0.38mm/dayであった.これらの成長率はLamprologus属の他の5種の値に比べ, 最も大きい値であった.この種の成長率が高いのは, 生息魚類が少なく, 餌条件に恵まれた砂場で成育し, 成長に伴って分布空間を拡げるためであると推察した.

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