然別湖注入河川ヤンベツ川において, 1972年から1986年にかけての産卵期にミヤベイワナ, Salivelinus malma miyabeiを調査中に偶然13尾の河川残留型雌が採集された.これらの成長様式と成熟年齢について残留型と降湖型を比較した.その結果, 体長および成長率は全ての齢において降湖型より残留型が有意に小さいが, 両者の成熟年齢 (3+) に顕著な違いが認められなかった.抱卵数は残留型が明らかに少なかった.オショロコマを含む回遊型サケ科魚類には, この型の雌の出現が極めて稀なことを重視して, 河川陸封型の変異出現について若干論議した.