魚類学雑誌
ハゼ亜目の脳における大脳化
Marie-Louise BauchotJean-Marc RidetMonique DiagneRoland Bauchot
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36 巻 (1989-1990) 1 号 p. 63-74

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抄録

ハゼ亜目に属する6科180種の大脳化指数を, 脳重と体重測定によって決定した.真骨魚類全体から見ると, これらハゼ類では大脳化指数が顕著な幅広い変動を示したが, 多くの数値は低値から中間値の範囲内にあった.ハゼ亜目の中で, 大脳化指数の低いKraemeriidaeとAmblyopinae, および大脳化指数の高いOxudercinae (トビハゼ科を含む) とRhyacichthyidaeを除くと, 科や亜科が異なっても大脳化の程度の差は比較的少ない.魚体の形状が大脳化の程度に影響を与える事が明らかになった.即ち, 細長い魚の指数は低い.脳重に較べて体重を増加させる胴の骨格が多いことに原因しているのであろう.一般に, 魚の住んでいる環境は相対的な脳の大きさに相関している.生息場所に従って, 指数の低いものから高いものの順に並べると, 泥生魚, 淡水魚, 汽水魚, 埋没性海産魚, 自由遊泳海産魚, 急流魚, 水陸両生魚の順になる.AmblyopinaeとKraemeriidaeの指数が低いのは泥生魚であり, また魚体が細長いためであると説明できる.

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© 日本魚類学会
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