魚類学雑誌
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ナマズの一種Heteropneustes fossilis の水中尿素に対する行動学的ならびに血液学的反応
Ajmal MuradSaleem Mustafa
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1989 年 36 巻 1 号 p. 75-81

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抄録

空気呼吸をするナマズの一種Heteropneustes fossilisを致死濃度以下 (200mg/l) の尿素液中におくと, 皮膚が白っぽくなり, 粘液分泌が増し, 興奮しやすくなり, 浮上と鯉蓋運動の頻度が上昇した.これらの変化は, 最初の8日間の方がそれ以後に比べて著しかった.20日間の暴露期間中にヘマトクリット, 赤血球数, 幼若赤血球の百分比, 平均血球容積, および赤血球沈降速度の漸増が観察された.白血球-栓球数は, 当初6日目までは急減し, その後は一様に増加した.全白血球数の初期の減少は, 主にリンパ球と栓球の減少によるものであったが, 顆粒球 (好中球と好酸球) および単球の百分比は逆の傾向を示した.

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