コイ, カサゴ, およびゴンズイの糸球体血管系を樹脂鋳型法を用いて調べた.検討したすべての魚種において1本の輸入細動脈が一つの糸球体に連絡している.コイにおいて輸入細動脈は細く, 輸出細動脈とほぼ同じ直径であった.一方, カサゴとゴンズイの輸入細動脈は, 輸出細動脈より非常に太かった.真骨魚の糸球体毛細血管は洞様毛細血管で, ラットのそれと比較して分岐, 吻合, および曲折が少ない.輸出細動脈はコイとカサゴでは, 一つの糸球体において1本であったが, ゴンズイの糸球体の多くは2本の輸出細動脈を持っていた.