水槽内で自然産出させたムギイワシ卵を飼育し, 卵および艀化仔魚から若魚までの外部形態の形成過程を観察した.卵は直径0.90-1.05mmの球形で, 卵膜の両極に40-55本のてん絡糸を有する.孵化仔魚の脊索長は3.95-4.70mm.7.0-7.5mmで脊索の屈曲が始まる.標準体長10.7-11.5mmで鰭条総数が定数に達し, 18.5-20mmで体はほぼ完全に被鱗される.本種の仔魚は側中線上の黒色素胞が点状であることや脊索後端部の背腹両面に数個の黒色素胞が存在することなどの特徴によって, ギンイソイワシやトウゴロウイワシの仔魚と区別できる.