魚類学雑誌
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NotopterusGymnarchusのグアニン型タペータム
宗宮 弘明
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1991 年 37 巻 4 号 p. 418-420

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抄録

オステオグロッサム目 (ナギナタナマズ亜目) に属するNotopterus ChitalaGymnarchus niloticusは共にその眼に網膜タペータムを持つことがわかった.タペータムを構成する反射物質の主成分はグアニンであり, その量はNotopterusで約2mg/cm2, Gymnarchusで約1mg/cm2であった.その結果, 現在まで調べられた限りで, ナギナタナマズ亜目の魚種はすべて網膜タペータムを持っことがわかった.すなわち, これらの魚種は薄明環境にたいへん都合のよい眼球内増感装置をもっことになる.一方, タペータムの反射物質の面から, ナギナタナマズ亜目はグアニンを利用するMormyridae, Gymnarchidae, Notopteridaeと尿酸を利用するHiodontidaeの二つの群に大別された.現在のところ, タベータムの反射物質として尿酸を使う魚類はHiodon属だけである.

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© 日本魚類学会
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