魚類学雑誌
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メダカの尾部骨格の発達
藤田 清
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1992 年 39 巻 1 号 p. 107-109

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抄録

1990年5月15日に受精したメダカ (Oryzias latipes) の卵を孵化させ, その孵化仔魚を30日間飼育し, 定期的に仔稚魚をホルマリン固定し, 軟骨・硬骨二重染色法で尾部骨格の発達を調べた.
一般的に尾部棒状骨は尾鰭椎前第1椎体と尾鰭椎とが癒合して形成されると言われているが, スズキ目魚類では多くの場合, 尾部棒状骨は直接形成され両者の癒合による形成の証拠は明かではない.メダカの場合, その発達過程において尾鰭椎前第1椎体+第1尾鰭椎 (PU1+U1) と第2尾鰭椎 (U2) が明瞭に現われ, 成長に伴って両者は癒合し, 尾部棒状骨が形成されることが明らかとなった.尾神経骨はその発生過程では, 多くの魚種に見られるような独立した要素として出現せず, 尾部棒状骨が形成される前の二っの椎体 (PU1+U1, U2) の神経弓門が癒合して形成された.Oryzias, Xenopoecilus両属に共通して認められる補尾骨の由来は明らかでない.

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