フウライクサウオ, P.tremebundus, はこれまで事実上2採集地のみから記載されてきた.ベーリング海, オホーツク海及びその近接海域から得られた新標本に基づいて本種を詳細に記載した.その結果, 本種の背鰭条数は55-69, 臀鰭条数は49-63, 胸鰭条数は25-36, 脊椎骨数は62-74であることが明らかになった.本種は類似のP.caudatusと胸鰭下葉の長さ, 腹吸盤と歯の形態, 背鰭及び臀鰭条数により区別される.また, 北海道の落石沖の標本は本種の日本初記録であり, 最も南方からの記録である.