魚類学雑誌
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北部オーストラリア産のリュウキュウイタチウオ亜科の2新属新種
町田 吉彦
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1993 年 39 巻 4 号 p. 281-286

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抄録

オーストラリアのNorthern Territory産の標本に基づき, フサイタチウオ科リュウキュウイタチウオ亜科の2新属新種を記載した.本亜科は尾鰭が背鰭や臀鰭と連続しないことを特徴とする.BrosmolusBrosmolus longicaudusを模式種とし, 本種には雄の完模式標本しか知られていない.本属は雄の交接器に硬化した部分がないことでBrosmophyciniに属し, 臀鰭始部が体の前半部に位置すること, 皮膚が透明であることで近縁の属と区別できる.また, 頬は有鱗, 鰓条骨数が7, 鰓耙数が4, 腹椎骨数が15, 尾鰭鰭条数が16であることでも区別できる.BeaglichthysBeaglichthys macrophthalmusを模式種とし, 本種には雌の完模式標本しか知られていない.そのため, 本属の族の帰属は現時点では定かでない.しかし, 本属は鰓条骨数が8, 眼径は吻長より大, 頬は有鱗, 鰓耙数が3, 腹椎骨数が14, 尾鰭鰭条数が12であり, 本亜科のいずれの属とも異なる.

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