魚類学雑誌
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酒精製造工場廃液の鯉卵及び鮎卵の発生に及ぼす影響に就いて
高橋 仁助
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1955 年 4 巻 1-3 号 p. 16-24

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抄録

1. 甘蔗を主原料とする酒精製造工場 (在熊本市日本酒類製造株式会社) の廃液が鯉卵及び鮎卵の発生に及ぼす影響について実験した。
2. 孵化可能な廃液の限界濃度は鯉卵では1/50, 鮎卵では1/400で、その比は1: 1/8である。
3. 鯉卵及び鮎卵の廃液に対する耐力比を8 (鯉卵): 1 (鮎卵) ぐらいと認めて宜しかろう。
4. 孵化に無影響な廃液の限界濃度は恐らく大体において鯉卵は1/1000以下、鮎卵は1/1200以下と推定して宜しいだろう。
5. 鯉卵及び鮎卵の廃液に対する耐力比はその成魚の強健性と正の相関を有する。

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