魚類学雑誌
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アミメハギとヨソギの卵発生と前期仔魚の形態および耳石輪紋の形成
川瀬 裕司中園 明信
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1994 年 41 巻 1 号 p. 57-63

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抄録

水槽内で自然産卵させたアミメハギの卵と, 人工授精した卵と野外で採集したヨソギの卵を用いて, 卵発生と前期仔魚の形態, および耳石の輪紋形成周期を観察した.両種の卵は, ほぼ球形で粘着性があり, 卵径はともに0.53mmであった.アミメハギの仔魚は, 水温20.7-21.3℃ で受精から62時間39分後に, ヨソギの仔魚は, 水温29.0-29.3℃ で受精から29時間後に孵化し始めた.孵化直後の仔魚の全長は, それぞれ1.86mm, 1.94mmで, 耳石はsagittaとlapillusが観察された.アミメハギの孵化直後の仔魚の耳石には既に1本の輪紋が形成されており, 孵化後2日まで日周輪の形成されることを確認したが, ヨソギでは輪紋が不鮮明で日周輪の確認は出来なかった.

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